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🏛️ 📍 陝西

概要

小雁塔は、唐代の高僧義浄が持ち帰った仏教の経典や仏像を保存するために建てられ、西安市碑林区に位置し、707年に建立され、薦福寺塔とも呼ばれています。小雁塔は当初15層の密檐式煉瓦塔でしたが、度重なる地震で損傷し、何度も修復され、現在は13層、高さ43.38メートルです。小雁塔は、シルクロードにおける仏教伝播の歴史上、重要な出来事である唐代の高僧義浄の海路による西域求法の旅と直接関連しています。小雁塔が位置する薦福寺は、唐代の長安三大翻訳経場の一つであり、唐代の長安における仏教の隆盛を証明しています。小雁塔は、唐代の同種の密檐式煉瓦塔の中で現存する最も古い例であり、仏塔という仏教建築が中原地域に伝わった初期の貴重な例証です。

歴史文献

遊城南記

自务本西门,入圣容院,观荐福寺塔。

務本坊の西門から聖容院に入り、薦福寺の塔を観る。)

张注曰:圣容院盖唐荐福寺之院也,今为二寺,寺之浮图今正谓之荐福寺塔,尚存焉。

張氏の注に曰く:聖容院は唐の薦福寺の院であったが、今は二つの寺になっている。寺の仏塔は今まさに薦福寺塔と呼ばれ、なお現存している。)

其寺文明元年立,谓之大献佛寺,天授元年改为荐福寺,景龙中,宫人率出钱,起塔十五层。

その寺は文明元年に建てられ、大献仏寺と称された。天授元年に薦福寺と改められ、景龍年間、宮女たちが銭を出し合って十五層の塔を建てた。)

续注曰:贞祐乙亥岁,塔之缠腰尚存,辛卯迁徙,废荡殆尽,惟砖塔在焉。

続注に曰く:貞祐乙亥の年、塔の腰の部分はまだ残っていたが、辛卯の年に移転し、ほとんどが廃墟となったが、ただ煉瓦の塔だけが残った。)

《游城南记》(『遊城南記』)

陝西通志

长安荐福寺塔名小雁塔,唐时建,凡十五级。

長安の薦福寺塔は小雁塔と名付けられ、唐の時代に建てられ、全部で十五層あった。)

嘉靖乙卯地震,裂为二,及癸亥地震,复合。

嘉靖乙卯の地震で二つに裂け、癸亥の地震で再び合わさった。)

滇逆之变,王辅臣叛,据平凉,塔忽中裂。乱平,塔复如故。

雲南の反乱の際、王輔臣が反乱を起こして平涼を占拠すると、塔は突然中央から裂けた。乱が平定されると、塔は元の姿に戻った。)

《陕西通志》卷九十九 陇蜀余闻 (『陝西通志』巻九十九 隴蜀余聞)

写真

1907年にフランスの漢学者シャヴァンヌが陝西省西安で撮影。現在、写真は『北中国考古図録』に収録されている。